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 彼の事情



―― 4 ――



 最初に裕未のカラダに火をつけたのは、僕だったはずなのに。ゆっくりと花開くように変わっていく姿に、劣情をそそられる。
 唇と指での愛撫を止めると、裕未は喘ぎながら突っ伏した。
 黙ったまま寄り添って髪の毛を撫でる。僕の視線に気づいて裕未が顔を上げた。さっきのように泣いて僕を咎めるかと思ったが、それはなかった。頬を朱に染めて、僕の胸に顔を埋める。
「ここでも感じちゃうんだ、裕未は」
 こりずに意地悪く訊ねる。さっきまで唇をあてていた場所は、僕の唾液と裕未の雫でぬめったようになっている。指先で探るように円を描いて刺激する。
「ぁ、やっ……」
 感じる声をだすほどなのに、首を何度も振って認めようとはしない。柔らかく解けたすぼまりに、小指の先をほんの少し忍ばせる。
 びくんっ!
「だめよ! ダメ……なの」
 畏れる気持ち、恥ずかしさのほうが勝っているのか。
「どうしてダメ? 感じるのはちっとも悪いことじゃないのに」
「悪いことじゃない? こんなところで感じて、あたし、オカシクない?」
 オカシイどころか……そうやって葛藤するのが、たまらなく可愛いんだけど。
「ぜんぜんオカシクない。それより、こっちのもの凄くなってる所はどうしよう?」
 言いながら、もう大洪水みたいになってる花びらの部分に指を出し入れする。くちゅりと立てる音を裕未にも聞かせながら。
「僕ももう我慢の限界なんだけどね……」
 裕未の手を導いて、固くなった僕のものを握らせる。ついぼそっと本音を漏らすと、いたずらっ子のように裕未が笑った。
「おいでよ」
 潤んだ瞳をしている裕未に声をかける。自然な動作で仰向けになった僕の昂ぶったものを膝立ちでそっと跨ぐ。視線が絡むとキスを求めてくる。飽きずにゆっくりと唇を貪りあう。
「裕未の好きなようにして」
 さっきから湿った秘裂で棹が挟まれている。僕が焦れているのを知ってか知らずか、浮かした腰をちょっとずつ揺らしながら、裕未はその感触を楽しんでいるようだ。悩ましい光景に我を忘れそうになる。
 こんどは裕未の番だ。濡れそぼった口で、早く僕を食べてくれ。
 ツンと尖った乳首を指先でつまむと、小さな声をあげて体が前のめりになった。覆いかぶさってきた唇を奪って、少しだけ体をずらす。屹立した先端を裕未の入り口にあてがうようにして、突き上げる。
「ぁふっ!」
 熱く蕩ける場所に、そのまますんなりと飲み込まれていく。僕を味わい尽くすように締めつけて、裕未の体が前後に揺れる。動くたびに目の前で震える乳房の先端を、口に含んで転がす。
「ん、ぁん……だめ。あたし、やっぱり、オカシイ……」
 言いながら裕未の腰が細かく動く。感じてたまらないという風に。
「いいよ。もっと動いて、感じて」
「だめ……あたって、ひっかかって…る……んッ!」
 鍵と鍵穴みたいになって、裕未の中で僕のカリ首が引っかかっていた。身動きしてもはずれずに、中の感じやすいところを刺激しているようだ。
「やぁ、いいの、だめ、ヘンなの。あぁ、もう……」
 僕の上に乗った裕未が、暴れ馬のように豹変していった。柔らかい肉襞が絡まって吸いつく。四つん這いになって腰を振り、喘いで僕の唇を求めてくる。舌が絡まる。唾液が流しこまれ、僕が飲み干す。どろどろに熔けあって僕達はひとつになる。
「あぁ、いい……どうしよう、あたし、オカシクなる。ひでゆきぃ……」
 感じて乱れながら体を震わせる。なんていやらしく素敵な眺めだろう。
「オカシクなっちゃえ。もっと」
 下から腰を引き掴んで、突き上げる。
「ん、ん、んんっ! だめっ! はぁっ!!」
 僕の額にも汗が浮く。ひくひくと絡みつく余韻を残して、裕未の体が僕の上に崩れ落ちた。

 猛り狂っているものをそっと抜いて、裕未を横たえる。
 休む間も与えず欲望のままに、仰向けにした裕未の片足首を掴んでグイッと持ち上げる。膨らんだクリトリスが露に光っていた。指の腹で撫でまわすと身をよじってうめく。
「もっと欲しい。いい? 裕未」
「うん……き、て」
 昂ぶる気持ちのまま、最奥まで突き入れて抉った。根元まで飲み込んで互いを擦りあわせる。深く繋がったまま貪りあう。湿った音を立てて腰を打ちつけ合う。
「すごい……あたるの、あぁっ!」
 裕未の中のモノがそっと降りてきて、僕の亀頭にキスをする。深く貫いてグリグリとそこに押しあてる。
 苦しそうにうめいていた裕未の体が、大きくのたうつようにうねった。
「いい、いい……あぁあ……」
「裕未、あぁ……ゆみ」
 たまらない愛しさが湧いた。覆いかぶさって柔らかいカラダを抱き締める。離れている間に、僕達は互いに小さな火を育てていたのだろうか。
 唇を吸い耳たぶを甘噛みする。裕未の足が僕の腰に絡みついた。
「くぅっ……ぁんっ! とけちゃうよぉ……!!」
 耳元で甘い声を聞きながら、滾るものを迸らせた。



 じっとりと汗にまみれて、ふたりとも暫くは口もきけずにいた。荒い息づかいで抜くこともせずに重なりあっている。裕未の瞼は半開きで、どことなく虚ろだ。
 体を離して髪の毛を撫でる。ようやっと気がついた、という風に
「あ……遠くに、連れてかれちゃった」
 ぼんやりした調子で言った。
 誰が、いつ、遠くに行ったんだよ。そんな質問が出そうになるのをぐっと呑み込む。
「そんなに気持ちが良かったんだ?」
「……うん」
 頬を染めて穏やかに微笑む。そんな表情がステキなのと、なんとなく羨ましいのと両方でくすぐったくなる。遠くに連れていったのがたとえ僕でも、その感覚は共有できない。それがちょっぴり悔しくもあり。
 柔らかそうな頬にそっと触れた。吸いつくような掌の感触に頬から顎、それから首筋から肩先、二の腕へと撫でまわす。感じた余韻を残してツンと立っている乳首を、口にふくみながら丸い膨らみをやわやわと揺らす。
 最初のうち含み笑いを漏らしていた裕未が、やがて気持ちよさそうに目を閉じた。しっとりと汗の滲んだこの感触を、僕の手はいつまで覚えていられるだろう。
「シャワー浴びよう、一緒に。裕未のカラダ、隅々まで洗ってやる」
 照れ隠しにそんなことを言って立ち上がる。「隅々まで」ってところに反応して、笑いながら裕未も体を起こした。
「きゃ」
 振り向くとベッドの脇でへたりこんでいる。
「そんなじゃ朝まで持たないんじゃない?」
「もうっ……」
 怒ったように睨み返す視線にどことなく力がない。差し出した手に黙ってすがりついてくる。遅い夏の陽がようやっと暮れようとしていた。




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