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ナチュラル





「ねぇ、今日もいい天気だよ?」


いつのまにかカーテンが開かれている。
おそらく昼近くだろう。
まぶしい陽光がベッドまで射しこんでいた。
昨夜かわしあった情交のあとなど、
微塵も感じさせずに
君は窓辺からぼんやりと外を見ている。
ウェーブのかかった髪が陽に透けて、
光と一緒に溶けてしまいそうだ。
でも僕は覚えている。
交わしたくちづけも、
ふと漏らされた小さな吐息も、
羞じらいがちに閉じられた睫毛も。






「せっかくだから、出かけようってば」


振り向きざま、微笑んで君は提案する。
それはできない相談だね。
陽の光に溶けた白い肌が、
君自身も知らないうちに 僕を誘っているから。


「あ〜、でもちょっと眠いかな〜」


瞼を閉じて伸びをする君は、
しなやかな猫のようで、
その首筋を舌でなぞった痕を、
僕はついつい探してしまう。
弾けそうな胸の谷間に、
閉じられた太腿の内側に、
きのう散らしたしるしは、 きっと残っているはず。













「ほらぁ……
 早く起きないと夕方になっちゃうよ」


光の妖精に対抗して、
意固地になって布団にひきこもる。
予定も何もかもすっぽかして、
出かける気なんて毛頭ないといったら、
君は怒るだろうか。



「ねぇってば……」



着替えようとする光の精を
腕の中に抱きとって、
その柔らかい髪の毛に触れるまで、
昨夜 僕がつけた痕を確認するまで、





あと、数秒。






【蛇足のあとがき】
このお話には 文章より先に ステキな画像がありました
どきどきする写真に萌えて 文章を付けてみました
ステキな画像を提供して下さったお友達に 感謝!!




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